ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

「さ、食べよ」

涼しい顔で食べ始める柚木くんに続いて、私も頂いた。問題なくおいしい。

そして時間になると、私が先に家を出る。電車一本分の時間をずらして柚木くんも出て、数分差で同じ場所にたどり着く。

「おはようございます」

出勤してきた柚木くんの目には、細いフレームの眼鏡。
家では全然かけていないから、最近ではこっちの方に違和感を覚えるようになってしまった。

「柚木くん、おはよ。今朝の一本目お願いするよ。事前アンケート見る限り、ちょっと難しそうで──」

奈々が資料を持って彼の席に近づき、話を始めた。
柚木くんはいかにも真面目そうな表情で聞いている。会社では相変わらずの優秀さだ。

本当に、どうして会社ではこんなにキャラを作っているんだろう。
あのちょっと我儘というか尊大というか、図太い本性を丸出しにしていたら、たしかに若干波風は立つかもしれないけど。

でも、そんなことを気にするようなタイプにも思えない。

今さらながら気になった私は、その日の夜、思い切って彼に聞いてみた。

今夜もソファに座って本を読んでいた柚木くんは、感情のない顔でチラリと私を見て、

「そんなこと聞いてどうすんの?」
「ど、どうもしないけど……そんな二面性ある人、見たことなかったから気になって」

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