ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【11】ひそかな逢瀬の、覗き方
奇しくも柚木くんの様子がおかしかった理由は、その数日後に明らかになった。
その日の朝礼で、大竹課長から新たな報告があった。
事業提携の件で、ホワイト・マリッジの幹部数名が本日オフィスを訪れるのだという。
ひとつ下の階にある会議室で話し合いが行われるけれど、オフィスに見学にくる可能性もあるとのことだった。
数人の社員は「緊張するね~」などと話していたけれど、私が見る限り、柚木くんはいたって普段通りだったと思う。
1時を過ぎた頃、実際にホワイト・マリッジの幹部らしい人達がオフィスを訪ねてきた。
部長に案内されて入ってくる、数名の男女。
私たちは会釈をしただけで、言葉を交わす機会はなかった。
見学はものの十数分で終わり、私が気づいたのはどうやら唯一の女性が社長で、幹部とはいえ全体的に歳が若いということくらい。
──女社長だって知らなかったな。風格あったな。
そんなことを考えて彼らを見送った。
そして一日が終わり、退社の時間。
私はチーム員の最後の接客を見守っていて残業になり、一人でオフィスを出た。