ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「……って言ってるでしょ? ……だなんて、そんなつもりはないよ」
声のボリュームが落ち、以降は途切れ途切れにしか聞こえない。
もどかしいけれど、これ以上近づいたらきっと気づかれてしまう。
私は二人から2メートルほど距離をとった壁際で、かすかに聞こえる声に耳を澄ませた。
「あなたが………わかったわ。だけど、どうして私を……」
「だから俺は………蘭子さんだって………」
話の全貌はつかめない。それでも、雰囲気から充分わかった。
これは仕事上の会話なんかじゃない。
どういう関係かは不明だけれど、二人は以前から知り合いなんだ。
スマホを取り出し、ホワイト・マリッジの情報を検索する。社長の名前が“蘭子”で間違いなかった。
──そういえば前に柚木くんの様子がおかしかったのは、ホワイト・マリッジとの提携が発表された日だったっけ。
あれも“蘭子さん”のことを考えていたからなのかもしれない。
「っ……」
いつの間にか速くなった鼓動が、体全体に響いている。
そんな私の耳に、なぜか“蘭子さん”のその言葉だけが、途切れることなくクリアに届いた。
「戻ってきなさいよ、瞬也」
声のボリュームが落ち、以降は途切れ途切れにしか聞こえない。
もどかしいけれど、これ以上近づいたらきっと気づかれてしまう。
私は二人から2メートルほど距離をとった壁際で、かすかに聞こえる声に耳を澄ませた。
「あなたが………わかったわ。だけど、どうして私を……」
「だから俺は………蘭子さんだって………」
話の全貌はつかめない。それでも、雰囲気から充分わかった。
これは仕事上の会話なんかじゃない。
どういう関係かは不明だけれど、二人は以前から知り合いなんだ。
スマホを取り出し、ホワイト・マリッジの情報を検索する。社長の名前が“蘭子”で間違いなかった。
──そういえば前に柚木くんの様子がおかしかったのは、ホワイト・マリッジとの提携が発表された日だったっけ。
あれも“蘭子さん”のことを考えていたからなのかもしれない。
「っ……」
いつの間にか速くなった鼓動が、体全体に響いている。
そんな私の耳に、なぜか“蘭子さん”のその言葉だけが、途切れることなくクリアに届いた。
「戻ってきなさいよ、瞬也」