ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【12】隠された秘密の、受け止め方
「俺の母親は、18の時に未婚のまま俺を産んだんだ。当時でいうヤンキーで、父親も同じチームの男だった。成人してたけどいい加減な奴で、子供ができたって言っても認知してくれなかったらしい」
ソファに座った柚木くんは、静かな──本当に淡々とした声で、そう語り始めた。
私も隣に腰掛け、息を詰めてその声に耳を傾ける。
「だけどそんな男でも、本気で好きだったみたいでさ。妊娠をきっかけに別れることになったけど、母親は俺を産んで、一人で育てる決心をしたんだ。チームからも足を洗って、両親と生活しながら俺を育て始めた」
そこで一度言葉を切ると、柚木くんはゆっくりと細く息をついた。伏せられた瞳に、長いまつげが影を落としている。
「学のない母親は、女だてらに運送業で必死に働いてたよ。俺は、保育園とか祖父母に預けられてた。祖父母も援助してくれてたから、人並みの生活は送れてた。でも二人は、俺が小学生にあがると相次いで病気で亡くなって……」
私は紡がれる言葉に、相槌を打つことすらできない。
『面白い話じゃないけど聞いてくれる?』
そう言われた時、こんなにも彼の内面にあることを教えてくれるとは思っていなかった。