ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

「個人事務所……」

私は、ホワイト・マリッジが元々は小さなブライダルコーディネートの事務所だったことを思い出した。

「昔は母親が姉貴分だったけど、立場はすっかり逆転してた。蘭子さんの方が、社会的にも経済的にも圧倒的に上をいってたからね。母親には戸惑いもあったみたいだけど……」

柚木くんはまた、昔を思い出すように視線を上に向けた。彼女たちが会う場には、彼も一緒にいたんだろう。

「だけど、蘭子さんは、懐かしさからか随分好意的で。生活が大変なら、自分と一緒に仕事をしないかと誘ってきたんだ。近い将来は事業拡大も考えてるから、今より絶対にいいって」

事業拡大──つまり、それが今のホワイト・マリッジだ。

「母親は喜んでその誘いを受けたよ。もちろんブライダルコーディネートのことなんて何も知らなかったけど、蘭子さんのアシスタントとして仕事を始めた」

柚木くんのお母さんは、ホワイト・マリッジの前形となった個人事務所のスタッフだった。

でも、それはビジネスパートナーという形のはずで、そこから蘭子さんがどうして親代わりとまでいう存在になったのかはわからない。

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