ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

「柚木くんは……応えたの?」

膝の上に置いた手がはっきりと震えてしまっていた。

柚木くんもそれを見て、一度自分の手を伸ばしかけ……でも、思いとどまるように拳を握って引き下ろす。

「それが、俺がそこにいる理由なら、応えなきゃいけないかと思った。血縁でもない人間を引き取って養ってくれる理由がそこにあるなら、望みを叶えてあげなきゃ追い出されるかもしれない」

「そんなっ……そんなの……!」

「でも、できなかったんだ。16の時、覚悟を決めたけど、いざとなったら体がまったく反応しなくて、吐き気までしてきて……」

「えっ? じゃあ……」

「無理だった。あの時、自分に伸ばされてきたあの人の手がどうしようもなく気持ち悪くて、怖くて……振り払って、その勢いのまま、家を飛び出した」

「それなら……彼女とは……」

「……一度もしてないよ。短期間でも家族だと思った相手に、できない」

安堵しているのに、同じくらい赤い怒りが自分の中を吹き荒れている。
叫びたいほどの思いが渦巻いてるけれど、うまく言葉にならない。
私はただ、唇を噛んで俯くことしかできなかった。
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