ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
柚木くんの申し訳なそうな視線を感じる。
……まだ、話は終わりじゃない。
「でも俺には行くところなんてなかったし、あの人も諦めて俺を手放してはくれなかった。そういうことはしなくてもいいけど、帰ってこいって言われた。俺も浅ましいけど、将来のことを考えたら高校は卒業したくて、安定した生活を捨てる勇気がなくて……」
「そんなの浅ましくない! 普通に願っていいことだよ!」
自分を卑下するような言葉に、思わず熱くなって声を荒げる。
柚木くんは目を細めて「ありがと」と呟いた。
「……俺は望み通り帰って、高校卒業まではあの人と一緒に暮らした。行為を強要されることはなかったけど、スキンシップは多かったよ。彼女は俺のことを、自分のものだって思ってるから」
体までは手に入らなくても、手放すつもりはない。
そういう主旨のことを、実際に言われたこともあると柚木くんは話す。
「大学は奨学金で行ったし、俺は自立した。でも今でも、あの人を完全に切ることはできない。彼女は俺に、求めればいつでも駆けつける存在であることを望んでる。俺があの人を捨てることは許されないし、母親や俺に与えてくれた救いは本物だから、俺も捨てることはできない」