ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

「……高校卒業後も定住していないのも、蘭子さんのことと関係あるの?」

やや迷ったけれど思い切って尋ねると、柚木くんは「ある」とあっさり答えた。

「勤労学生で、卒業後も奨学金の返済が大変とか経済的な理由もあるけどね。蘭子さんの所有物である以上、いつかあの人の手元に戻らなきゃいけない日が来るかもしれないから、そういう日が来た時のために」

いつ手離すことになるかも定かでない家なら、逆に持たない。そういうことなんだろうか。

彼は、意図して思い入れのあるものを持たないようにしているのかもしれない。

「役に立つ子でいなきゃっていう概念からは逃げられないんだよ。望む形で応えられない分、できることはしてあげなきゃと思うし。だから家も仕事も、こうして準備してる。いざという時用だけど」

「仕事もって……もしかして結婚相談所を選んだのも?」

蘭子さんが経営するホワイト・マリッジと同じブライダル業界を選んだ。そういうことなの?

その疑問にも、柚木くんはとても寂しい微笑で頷いた。
彼が歩んできた壮絶な人生と抱える苦悩に、私はどんな言葉をかけてあげればいいのだろう。
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