ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

平穏に育ってきた自分に言えることなんてどれも薄っぺらい偽善でしかない気がして、中途半端に浮かぶ言葉を私は全部のみ込む。
そうして、そっと彼の体を抱きしめた。

「……美咲?」

「ごめん。なんて言っていいのかわからなくて……」

柚木くんの体に回した腕に、そっと彼の掌がのる。

「やっぱり美咲は優しいね」

「そんなことない、私は……」

疑ったり立ち聞きしたり、ずるくてみっともないことをたくさんしている。

私も中途半端で、綺麗じゃなくて。

でも今、ここにいる私は柚木くんを嫌だなんて思っていないことは、改めて伝えたかった。

「ここにいたいうちは、いていいから」
「……うん、ありがと」

本当の家じゃなくても、永遠じゃなくても。
少なくても、今は。



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