ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【13】別れの言葉の、選び方

翌日。
いつものように勤務しながらも、私はどうにも仕事に身が入らなかった。

……昨夜の柚木くんの話が、まだ頭を離れずにいる。

柚木くんは出ていかないし、何かが変わるわけじゃない。
柚木くんと蘭子さんの関係だって、仕事の場で公になることはないだろう。

そうは思っても様々な不安が浮かんでは消えて、心ここにあらずの状態で仕事をし、午後を少しまわった頃だった。

見慣れない番号から内線が鳴り、取ると大竹課長の『ああ、里中』という声が聞こえてくる。

課長はアドバイザー部門の管理職との会議で、別階の会議室にいるはずだ。そこからかけてきているらしい。

『急で悪いが、この後の予定が変更になったんで連絡した』

「え、そうなんですか?」

『ああ。今日は終日会議になりそうだ。4時からのチーフミーティングはできそうにないから、日を改めてくれるか』

そう話す課長の声は早口で、普段の落ち着きがないように聞こえた。どうしたんだろうと思いながら『わかりました』と会話を終える。
そして、他のチーフ職者にミーティングが延期だと声をかけた。

「課長、終日会議? え、なんでそんな長く?」と奈々が私の傍までやってくる。

「そこまでは聞いてない」

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