愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

祖父と義兄弟達との縁は親父の代も続き、金を回す才能と経営者としての才能がずば抜けていた親父をかった彼らに、陰ながら支えられ今の桐谷家ができたのだ。

綺麗事だけで、今の会社が大きくなったわけじゃない。

「方法は、おまかせします」

「わかった。任せておけ」

チンピラは、彼らの手を煩わせなくても、なんとでもなる。

俺は、しばらく目を閉じた。

おとなしくしていなかったお前が悪い。悪く思うなよ…

嫌いな奴だったが、長年一緒にいた時間は少なくない。

遼は、もう、二度とこの地に戻って来れない。

やるせない気持ちが残っている俺は、旅館内にあるバーで、遼と永遠の別れを告げる。

日付が変わる頃、菜穂に無性に会いたくて部屋を訪ねた。

隣の寝室で清水が寝ているというのに、俺は、菜穂の顔を両手で掴み、キスをする。

「浴衣姿、可愛すぎ。誰にも見せたくなかった」

ぎゅっと抱きしめる。

「隣で桃花さん寝てるんだからね」

「わかってる」

「部屋に戻ったら?」

先程まで、甘いキスを交わしていたのに、つれない菜穂。恋人になったばかりなのだから、もっと、イチャつきたいと思うのは俺だけのようだ。
< 126 / 146 >

この作品をシェア

pagetop