愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

忘れていた約束にあたって

香港旅行から帰ってきた私達は、早速、桐谷家が贔屓にしている宝石商の元へ向かった。

呼べばいいと言う蓮の背中を押して、お店で2人の指輪をじっくりと選びたかったのだ。

細身の指輪が多いなか、2人で目についたのは、某ブランドの幅が太めのホワイトゴールドのリング。

シンプルながら、ブランドマークが存在感を出していてかっこいい。

『「これにしよう」』

2人で同時に指差したのだ。

丁度、サイズもあり、その場でお互いの右手薬指に嵌めていく。

「お揃いだね」

うふふと、お互いの手を伸ばし指輪を見て、嬉しくて頬が緩む。

「菜穂の独占欲を感じる」

「嫌なの?」

「いや、めちゃくちゃ嬉しい」

私達の同棲生活は順調に進んでいる中、麗華達も同じマンションの同じ階に引っ越してきた。

どうやら、3階フロアの2戸は桐谷家が所有しているようだ。

6月の麗華と樹さんの結婚式は快晴な日に恵まれて、豪華な披露宴では、沢山の招待客が出席していて、新郎側の親族席にいる私に視線が集まり、居心地が悪い。

蓮に近寄ろうとする女性達や、娘を紹介しようと企む招待客に「婚約者です」と紹介して、結婚の話になると、よそ行きの笑顔で流している。

プロポーズはされたけど、仕事を始めたばかりだし、結婚はまだまだ先の話だと思っていた。
< 143 / 146 >

この作品をシェア

pagetop