愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
そう言うなりキスされて、浴衣を乱す蓮に抵抗してみるものの、肌を甘くなぞられたら私の抵抗は空しく、彼の愛撫に身を任せていった。
「バカじゃない…こんなとこまで来てしたかったことなの?」
「去年、できなかったからな。菜穂も喜んでたくせに」
「知らない」
背を向けると、背後から抱きしめてきて、頬にチュッチュッと、宥めるようにキスしてくる。
憎らしいのに、憎めない。
「悪かったよ。怒るなよ」
「反省してる?」
「してる」
疑わしげに視線を向けたら、苦笑いしてるから、きっと口先だけなのだ。
もう、仕方ない人…
好きだから、許してしまう。
ぎゅ、ぎゅと抱きしめる腕に力を入れてくる蓮。
「菜穂…俺たちも籍入れよう。なぁ、結婚して桐谷 菜穂になってくれよ」
「急に?」
「急でもない。プロポーズした時から考えてた。菜穂は、働いたばかりだし、まだ結婚なんて考えてないようだから、まだ先でもいいかと思ったりもした。でもさ、さっき、俺の妻ですって言いたいって思ったんだよな。菜穂にも桐谷の妻ですって自己紹介してほしい。ダメか?」
はぁー、ずるい。
好きな人に、そう言われて嫌なんて言えるはずもない。
私は蓮の策略に見事に堕ちてしまう。
「蓮の妻ですって言えるんだね。嬉しい」
「俺の可愛い奥さん」
ふふふとお互い照れ笑いして、口付けていく。
【end】


