愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
口数の少ない遼といると無理に会話を探す癖がついていたが、蓮といると、なぜか会話がなくても心地よく感じていた。
夏休みも終わる頃、遼からの連絡がやっときて、渡せなかった誕生日プレゼントを持って彼の元へ向かった。
満喫してきたのか、日焼けした遼の側で開いたキャリーバッグの中身は、お土産などが山積みになっていた。
その中に、私への物があるだろうとウキウキと待っていたが、彼の方から何も言ってくれないので、『私のお土産どれ?』と尋ねる。
遼は頭をかきながら、時間をかけて探したお土産は、定番のチョコレートだけだった。
『菜穂は、何も頼んで来なかったろ』と言われて終了。
そうだけど…
だけど、私達ケンカしたよね?
それなのに、チョコレートだけ?
モヤモヤして口数を減らす。
すると、ご機嫌をとるように、遼が背後から抱きついてきた。
『菜穂に触れられなくて、ずっと辛かった』
うなじに触れる唇が耳を食んで、抱きついていた手が、服の中に忍び込む。
遼しか知らない体は素直に反応し、彼の求めるまま体を委ねていくが、心は…わだかまりを残したまま消化しきれていなかった。
大学が始まり、遼と会える日が普通のカップルよりも少ないと思うのに、更に減っていく。