愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
穏やかな人だと思っていた。
遊びのゲームとはいえ、賭け事に夢中になって見境がなくなったのは、お酒のせいだろうか?
声を荒げて、私を突き飛ばした時の違和感が拭えない。
きっと、負け続けたせいだと自分に言い聞かせ、反対側で蓮と同じように肘をつき、窓の外を見ていた。
そんな私を、蓮が目を開き見つめているとは知らない。
家の前に車が停車し、お礼を言い車を降りると、起きた蓮も車から降りてくる。
『ありがとう』
『いや、お前を呼ぶべきじゃなかった。悪かったな』
『気にしないで。遼らしくなかったけど、明日には戻っていると思う』
『なぁ…お前の目が曇ってるんじゃないか?あいつを過大評価し過ぎだ』
咄嗟に蓮の頬を叩いた。が、その腕を掴まれて、体を抱き込まれる。
『目を覚ませ』
『目を覚ますのはあんたでしょ。反対側も叩いてあげようか?』
『離してよ』と、蓮の胸を叩いて腕の中で暴れる。
『この、じゃじゃ馬め』
蓮の足を踏みつけてやると、顔を顰めながらも、離す気はないようだ。
『わかった、悪かったよ。暴れるな』
『暴れさせているのは誰よ』
『落ち着け』
『落ち着いてるわよ』
私の顔にかかっていた乱れた髪を、蓮は指先で払い直していく。