愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
その時は登録もせず、どこかにしまったまま忘れていたのに、麗華の記憶力に脱帽する。
「よく覚えてるね」
何やらアワアワしだしたが、蓮により、無理矢理連絡先を登録されたことは、麗華は知らないので、特に気にしなかった。
「使えるものを使わないと。蓮なら、喜んで採用してくれるわよ」
さすがにそれは無理だろうと、苦笑いで返す。
「もう、電話して」
「えっ、今?」
「今すぐ」
麗華の圧に負けて、電話をかけた。
数コールで『どうした?』優しい声に胸が高鳴る。
『えっと…』
『うん?』
忙しいだろうに、話出すのを待っているようだ。
麗華が、頑張れとジェスチャーで応援してくるので、思い切って切り出した。
『私、菜穂だけど』
『わかってる。どうしたんだ?』
『あのね、バイトでもいいから、卒業後【KZ】で働きたいんだけど、求人あるかな?』
『それは、無理だな』
『…そうだよね』
声が萎んでいく。
『今、夏に出店する新店舗のスタッフの求人を出している。そこでよければバイトにきてほしいんだけど、ダメか?評価が良ければ、その後は正社員で採用になる』
『えっ、ほんと。ぜひぜひ、働かせてください』
一気にテンションが上がる私を見ていた麗華も手を叩いて喜んだ。