愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
『犬じゃないんだから、やめてよ』
やっと顔を向けてくれたと、頬が緩んでいた。
そして、彼女の首には、俺があげたプレゼントが輝いていた。
『似合うよ』
嬉しさのあまり彼女の頭を撫でてると、麗華の冷たい視線が刺さる。
どうやら、彼女にした俺の行動が麗華の怒りに触れたようで、視線だけで追い払われ、その場を離れるしかなかった。
外に出て、早く麗華を迎えに来いと兄貴にメールを送る。
企みが失敗した遼が、また何か企む前に兄貴に来てもらわないと、麗華に何かあったからでは遅すぎる。
先程、肩を外してやった男が近づいてきた。
『蓮さん、肩治してくれよ』
『あぁ、いいぜ』
外した肩をはめてやると、肩を回して動きを確かめる男。
その横で、俺はタバコを咥えた。
サッと火がつき、男がライターをポケットにしまった。
『俺の演技、どうでした?』
『まぁまぁだな』
『少しだけ怖がらせろなんて、遼も無茶なんですよ。それに蓮さんも俺の肩、外すなんて聞いてないです』
『つい勢いでやったからな。治してやったんだから文句言うな。ほら、約束の金だ』
名家に生まれても、家計が傾いている御曹司も少なくない。見栄の為だけに金のあるふりをし続け、金に困っていたコイツには、俺の提案は丁度都合のいい話だった。