愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
後期試験も終わり、遼との賭けは最終段階に入った。
車を競売に賭けてやった。
怒りで乗り込んできたが、勝てないのだから仕方ない。
欲しければ、競り落とせと煽ってやれば、一億の値で入手したらしい。
前の購入者の趣味で改造された車は、遼になど扱えるはずもなく、大破するのだが、それはまだ後からの話。
卒業式間近となって、兄貴により海外へ出張命令。
(仕事で海外に行ってくる)
(いってらっしゃい)
(お土産、何がいい?)
(無事に帰ってくればいいよ)
(帰ったら連絡する)
(気をつけて)
これだけの短いやりとりだが、俺たちの距離は、あの日から縮まったようだ。
遼がしてやらなかった事を俺は実行していく。
風景写真を撮り、同じ同行スタッフとの写真も撮り、何気ないようにこまめに送っていく。
きっと、遼と比べていくだろう。
(どれがいい?)
麗華から入手した情報で、彼女へのお土産を選ぶ際も、彼女の意見も聞く事を忘れずに写真と一緒にメールする。
(これバカラだよね)
(金ならある。遠慮するな。選べ)
(では、遠慮なくオレンジで)
(わかった)
帰国後、大学の卒業や、仕事の忙しさから彼女と会う機会はないように装った。