愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
バイト先のスタッフルームでは、店長の鷹宮さんと昨日一緒だった蓮が、打ち合わせ中。

「お疲れ様です」

チラッとこちらを見た2人の話の邪魔をしないよう、スマホをポケットに入れて、荷物をロッカーに置いて、売り場へ。

私は、お客様の来店の多い時間だけの増員要員で、お昼からの出勤となるのに、翌日も仕事で朝が早いだろう蓮は、遅くまで私に付き合ってくれたのだ。

先程見た蓮の表情は、寝不足で疲れた顔を隠せていない。

申し訳なさから、外にある自販機で冷たいコーヒーを買い、2人に持って行った。

「失礼します。コーヒーです、よかったら飲んでください」

「あぁ、ありがとう」

副社長の蓮と私が面識があると知らない店長は、私の手から缶コーヒーを受け取り、一つを蓮に渡していく。

「お話中、失礼します。お客様が店長にインテリアの事で相談したいとおしゃってます」

男性スタッフの声に、店長は、蓮に目配せし「それでは、失礼します」と売り場へ向かう。

「…えっと、それ、疲れてるのに、遅くまで付き合わせたお詫び」

缶コーヒーを指差した。

蓮は、手にある缶コーヒーを見つめた後、近寄ってくる。

「いらなかった?」
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