愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
蓮の表情は、言葉とは裏腹で、とても残念そうには見えない。
私達の背後に周り遼の肩を抱いた。
『たまにある飲み会ぐらいは、参加してくれるだろう?遼からもお願いしろよ』
『西園寺さん、声をかけてもいいか?』
困惑顔で頷く麗華だったが、気をよくした遼は、『ありがとう』と微笑んでいたのだ。
なんとなく、モヤっとしている心の内を押さえて、遼を見つめていたら、背後にいる蓮が耳打ちしてきた。
『遼は、西園寺さん狙いだぞ』
そんなはずない。
私という彼女がいるのにと、蓮を睨んだ。
麗華は箱入り娘のお嬢様だから、家の事情も考えて確認したに違いない。
私の頭を撫でていく蓮の手を振り払う。
こちらは怒っているのに、どこか楽しそうな蓮は、遼を促し離れていった。
『まさか、うちの大学の有名人のイケメンツートップに誘われるなんて驚いたね。菜穂と親しそうだから、声かけてきたのかな?』
『…実は…遼と付き合ってるの』
えーと声をあげ驚く麗華に、シーと指を立てる。
付き合っていることは内緒ではないけど、吹聴することでもない。
だが、麗華に聞かせたかった。
彼女が人の男を横取りするような子ではないと思うが、予防線を張っておくに越したことはないという腹黒さからだった。