愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
「それならよかったわ。無理しないのよ。体調が悪くなったら、今度は私に言ってね」
「はい」
私の言い訳を聞いていたであろう蓮は、口元を隠して笑いを堪えているようだ。後ろ暗いところがある為、私は、桃花さんの善意に申し訳なさが募った。
夜は、宴会場で豪華な食事をいただき、皆、それぞれにお酒が入って弾けていき、蓮の周りは、女性陣で囲まれた。
強者が、副社長の蓮に「彼女いますか?」と聞くと、周囲は、期待に満ちた表情で答えを待っている。
普段の俺様な蓮はなりをひそめ、仕事用の柔らかい話し方で答える。
「いますよ」
ショックで肩を落とす人もいれば、興味津々で前のめりになり、情報を聞き出そうとする人もいた。
「いくつですか?付き合ってどれくらいですか?」
「プライベートなことだから、これ以上は内緒です」
えーと、不満の声をあげる彼女ら。そこへ蓮のスマホが鳴り、「仕事の電話だからごめんね。楽しんで」と言って抜け出した。
本当に仕事の電話だったようで、その後は、戻ってこなかった。
窓から見える澄んだ空では、月とたくさんの星が海面を照らし、反射してキラキラと光っている。
日付も変わる頃に、静かに乱入してきた男と唇を重ねている私。