ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「俺を愛そうが、愛すまいが、どっちだってかまわない。だが覚えておけ。俺の所有権を、お前は主張していい」

「なにそれ……どういうこと?」

「俺がほかの女を目で追いかけたら、怒っていいってことだ」

ああ、そうか彼は。私が女性の匂いを漂わせて帰ってきた夫に嫉妬して不機嫌になっていたことなど、とっくの昔に見抜いていたんだ。その怒りの矛先が見つからず、苛立ちを押し込めていたことにも。

だから嫉妬していいと、私にはその権利があると教えてくれた。

ほかの女に目移りしないで、私だけ見てと、そんなわがままを言っても許してくれるらしい。

「だったら、教えてほしいことがあります。康惺さんの妻の権利を使って」

相手の逃げ場を奪って強かに尋ねると、彼は「なんだ」と眉をひそめた。

「どうして跡を継ぎたくないんですか?」

「……それって、今ここで聞くことか?」

彼は私の上で律動を止め、少々呆れた顔をする。だって今聞かないと、またはぐらかされてしまうから。

好きでもない接待を甘んじて受け入れ、仕事においても手を抜いている様子はない。

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