ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
彼女だって十六も歳上の男とどうこうするなんて、さすがに受け入れがたいだろう。

金と自由をやると言えば喜んで偽装に協力してくれるはずだ。

想い合うふたりを引き裂いてしまった、そんな引け目もあったのかもしれない。

『俺、他人と同居とか無理なんだよ。リビングで煙草が吸えなくなる』

混乱する彼女を家から追い出すと、クレジットカードを送り付け、カモフラージュ用の指輪と住居を用意した。

あとは自由に生きてくれればいい。

『一度お会いしたいです』というメッセージをコンシェルジュ伝いに聞いたが、必要ないだろうと無視を決め込んだ。



だが、ことはうまく転がらなかった。

『産ませてもらえなきゃ困りますッ!』

そうマンションのエントランスで叫ばれた日には、なんて女だと頭を抱えた。

わざわざお膳立てして自由をくれてやったのに、自分から檻の中に舞い戻ってくるとは。

俺はあんたと仲良く家族ごっこをするつもりはないんだよ。そっちだって結婚を嫌がっていただろ。

優等生ぶって今さら親父にいい顔をしてなにになる。要領の悪い女だ。

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