ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
彼女に――茂木野涼羽という女性にほんの少しだけ興味が湧いた。

『俺が妊娠させれば、あんたは自由になれるのか?』

『少なくとも、なにも成せなかった悔しさを抱える必要はなくなります』

愛してもいない、愛されてもいない男に孕まされるのを恐ろしいと思っていない。むしろチャンスに変えようとしている。

豪胆だな。

これまで自分を追いかけてきたどんな女とも違う強かさを持つ女だ。

『わかった。あんたに協力する』

涼羽が目的を果たせるよう、力を貸そうと心に決めた。

その先にどんな未来が待ち受けているのか、俺にもわからない。だが、予想がつかないくらいの方が、俺にはちょうどいい。

幸い、体の相性はよかった。

自分の人生の片隅に彼女がいるのも、まあ悪くはない選択だと、そう思えた。



それから数日後、涼羽の父親である茂木野社長に会食のアポイントを取った。

場所は都心から少し離れた場所にある小さな料亭だ。

なぜわざわざ遠くに?と茂木野社長も不思議に思っただろうが、少しでも親父の目から逃れる必要があったからだ。

< 152 / 257 >

この作品をシェア

pagetop