ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
都心の料亭はあの人と繋がりを持つ人間がうじゃうじゃいる。話の内容がどこから漏れるかわかったものじゃない。

「涼羽さんを不幸にはしません。絶対に」

娘さんをください、幸せにしますなどと綺麗ごとばかり並べても、本音とは受け取られないだろう。

お互いのメリット、デメリットをしっかりと挙げた上で交渉を進めた方がいい。

「腹を割って話しましょう、親父殿」

緊張なのか警戒しているのか身を強張らせている茂木野社長に日本酒を注いでやると、ようやく俺にならって足を崩してくれた。

「親父殿などと呼ばないでください。私は最低な父親です。娘を担保に金を得ようというのですから」

「そう思うのでしたら、一刻も早く涼羽さんの背負う重荷を取り払ってやることです」

「それは、どういう……?」

「このままいつまでも、うちの親父に弱みを握られたままでいるつもりですか?」

茂木野社長が息をひそめる。ようやく、わざわざこんな遠い場所で落ち合った理由を察したようだった。

「会社を立て直してください。その意思があるなら支援します」

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