ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「客との距離も弁えられない女性を置く時点で、あの店の格は知れている。店選びを他人に任せた私の不手際だ。まことに申し訳ない」

……そういう割に、本人はなんだかんだ若い女の子たちと楽しそうに話していた気がするけどな。

俺は「お気になさらないでください」とさらりと流しておく。

「名誉挽回させてもらえまいか。そうだな、今夜にでもどうだろう」

懲りない親父さんだなあと心中で苦笑しつつ、俺は「すみませんが」とやんわり断る。

「普通の食事にしていただけると助かります。女性がいる席は妻が嫌がりますので、遠慮させていただきたく」

率直に言うと、彼は目を丸くしたあと、再び大きな声をあげて笑い出した。

「そうかそうか、すっかり尻に敷かれているじゃあないか。あれだけ女性になびかなかった君がなあ」

新たなお笑い種にされそうだ。バツが悪いまま微笑むと、山崎さんはどこか安心したように深く椅子に腰かけ脱力した。

「よほど素敵な女性と巡り会えたのだろう」

「……まあ、私には過ぎた女性なのかもしれません」

ぽつりと漏らした本音を聞いて、山崎さんは満足そうに頷く。

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