ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「おいしい……!」

ぐびっとワインを喉に流し込むと、「おい待て」と康惺さんが焦った顔をした。

「ワインをビールみたいに呷るな。潰れるぞ」

「大丈夫です。お酒、強いみたいなんで」

お酒が飲めるようになって二年、頻繁に飲むわけではないが、家族で飲んだときに父親譲りの酒豪であることは確認した。

「まあ、親父殿が酒に強いことは知ってる」

「でしょう?」

「だが調子に乗るな。酒ってのはコンディションに左右される。調子に乗って飲んでると、飲みの席で泥酔とか、周りに迷惑をかけることになる」

私がまだ酒の席に慣れていないと踏んでの注意だろう。真面目な顔で言われ、「心得ます」と居住まいを正す。

こういうところでどうしても経験の差みたいなものが出てしまう。

反省してしずしずと飲んでいると、彼に「ほら」とボトルを差し出された。

「今は好きに飲んでいい。歩けなくなっても俺が運んでやる」

そう言ってグラスにワインを注ぎ入れてくれる。

その頼もしくも憎らしい笑顔は、やっぱり康惺さんだなあとしみじみ思う。

私は「いただきます」とワインを口に入れて、ころころ回してちゃんと味わう。

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