ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
ウッドデッキのすぐ脇に、海が臨める寝室がある。

ベッドに腰かけて静かな夜の海を眺め見ながら、私は隣で寝転んでいる康惺さんに「ありがとうございます」と感謝を告げた。

「こんなんでいいなら、また連れてきてやる」

頭のうしろで手を組んで、気まぐれに言う。

あまりにも呑気だから、「いや、本当に感謝してるんですよ?」と念を押す。彼は「疑ってないって」と苦笑した。

「日程を調整するのも、大変だったんじゃないですか?」

平日の帰宅は二十一時すぎ、土曜も仕事の日が多くて、連休なんて取っているところを見たことがない。休んでいたのは箕山会長のパーティーに出席したときくらいだ。

「さすがに正月休みくらいは取るから、気にするな」

「むしろ、毎日なんであんなに忙しいんです?」

「デキる男の宿命だ。……まあ、ひとりの肩にのしかかる経営体制に問題はあるがな」

仕事が集中する、ということなのだろう。彼の会社の経営体制はよくわからないけれど、忙しいのは確かみたいだ。

「また連れていってくださいね」

ひとりで旅行したところで、正直あまり意味がない。分かち合う相手が大事だと思うから。

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