ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「珍しいですね? 私たちが結婚する前は、よくいらしてたんですか?」
「いえ、滅多に。しょっちゅう会社で顔を合わせていますからね。今日はたまたま届けたいものがあって」
そう言って、ちらりと後部座席の方に視線を促す。
そこにあったのはふたつの紙袋。細長い方はおそらくお酒のボトルだ。ワインだろうか。
もうひとつの正方形の紙袋には箱のようなものが入っているようだが――。
「兄さんの好きなワインと、おつまみのチーズです。ちょっといいものが手に入ったので」
「そうなんですね。……ええと、ありがとうございます。夫に代わってお礼を言わせていただきますね」
「いえいえ。……なんだか不思議な感じですね。涼羽さんからお礼をされるなんて。兄の妻がすっかり板についたみたいだ」
思いがけない感想をもらい、頬が熱くなる。
「光栄、です」
康惺さんにつり合う妻に見えていたらいいのだけれど。ほんのり湧き上がる嬉しさを押し隠す。
マンションまであと少し。赤信号で車を停めた惺也さんが「実は」と切り出した。
「仕事で失敗してしまったんです。兄さんに尻拭いをさせてしまいました。今日はそのお詫びで」
「いえ、滅多に。しょっちゅう会社で顔を合わせていますからね。今日はたまたま届けたいものがあって」
そう言って、ちらりと後部座席の方に視線を促す。
そこにあったのはふたつの紙袋。細長い方はおそらくお酒のボトルだ。ワインだろうか。
もうひとつの正方形の紙袋には箱のようなものが入っているようだが――。
「兄さんの好きなワインと、おつまみのチーズです。ちょっといいものが手に入ったので」
「そうなんですね。……ええと、ありがとうございます。夫に代わってお礼を言わせていただきますね」
「いえいえ。……なんだか不思議な感じですね。涼羽さんからお礼をされるなんて。兄の妻がすっかり板についたみたいだ」
思いがけない感想をもらい、頬が熱くなる。
「光栄、です」
康惺さんにつり合う妻に見えていたらいいのだけれど。ほんのり湧き上がる嬉しさを押し隠す。
マンションまであと少し。赤信号で車を停めた惺也さんが「実は」と切り出した。
「仕事で失敗してしまったんです。兄さんに尻拭いをさせてしまいました。今日はそのお詫びで」