ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
加えて細い通りだ、いつまでも車を停めていたら邪魔になってしまう。

ゆっくり話す時間もなく、私は急かされるまま「お邪魔します」と一礼して、助手席に乗り込んだ。

「乗せていただいてありがとうございます。あの、足の具合は大丈夫でしょうか?」

シートベルトを締めながら尋ねる。箕山会長のパーティーで踏んでしまった足がずっと気がかりだったのだ。

「ええ、お気になさらず。軽く痛めただけで、すぐに治りました」

朗らかに笑う惺也さんを見て、胸が痛んだ。

実は康惺さんから『惺也の足、全治二週間だってよ』と報告を受けていたのだ。

私が気に病まないように『すぐに治りました』だなんて嘘を……心遣いに泣けてくる。

「それにしても、お会いできてちょうどよかったです。今、おふたりの家に向かっていたところなので」

「うちに?」

驚いて目を丸くする。

一緒に暮らし始めてもうすぐ三カ月、惺也さんが遊びに来ることなど一度もなかった。

こんなこともあるんだなあと思うと同時に、すっと肝が冷える。もしも別々に暮らしていたままだったら、同居の偽装がバレてしまうところだった。

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