ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「何度も謝るな。機嫌を取るのが面倒だ。面倒くさくないのがあんたの唯一の取り柄だろう」

え、私の取り柄ってそれだけ……? 突っ込みたくなるのを押さえ、まあ言っていることは一理あるので文句をごくりと呑み込む。何度も謝られたら居心地が悪いのは確かだ。

「じゃあ、康惺さんが早く帰ってきてラッキー、と思うことにします」

「なんだ、かわいげがあるじゃないか」

「かわいさも取り柄なんです」

「ふてぶてしさも取り柄だな」

軽口を叩きながら、ふたりで鍋焼きを食べ進める。ふーふーしてばかりで一向に進まない私に対し、彼はもうすぐ底が見えそうだ。

速いなあ、熱くないのかなあ、熱いのを一気に食べるのも体に悪いんじゃないの?と思わず心配になる。

「涼羽」

不意に声をかけられて顔を上げると、彼がじっとこちらを見つめていた。

「謝らなくていい。信じてるから」

突然のその言葉に果たしてどんな意味が込められていたのか。

だが確かに伝わってきたのは、ちょっとやそっとじゃ疑ったりしない、信じている、安心しろ、そんな懐の大きさと信頼のメッセージ。

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