ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
確かに蛯原さんは美人だしスタイルがいいし、見た目からしてプロ彼女感があるけれど、この態度は致命的。彼は良家の長男であり次期経営者と目される人、こういうスキャンダルは避けたいはずだ。

しかもここは職場で、私は康惺さんの妻である前に今後提携を結ぶかもしれない企業の社長令嬢であり秘書。

「そういったことは口にしない方がいいと思います」

私が男だったら、自分の立場を落としかねない女性とは絶対に付き合わない。

彼女の言動は自分だけでなく、康惺さんの評判をも落としている。

「口にすることで康惺さんの立場が悪くなると思いませんか?」

そして康惺さんも、こういう女性は好かないだろうと、なんとなくわかる。だからこそ関係を清算されたのだ。

「なにを偉そうに……! たいして美人でもない小娘のくせに!」

正論で返されたことに腹を立てたのか、最初から私が気に食わなかったのか。

彼女は顔を赤くして「この……!」と手を振り上げる。

言葉だけじゃなくて手も出すなんて。やっぱりこの人、社会人として失格じゃない?

そんなことを能天気に考えている間に平手が迫る。

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