ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「通われるんだったら一緒だろ。まあ、あんたならそこまで嫌じゃない」

私なら――ほんのり胸が温かくなる。たぶん他意はないと思うけれど、ちょっとだけ認めてもらえたような気がした。

「それに万一、あんたが妊娠したとして」

煙草をくわえたまま、くぐもった声で切り出す。

「妊婦をひとりで置いておくっていうのもな」

思ってもみなかった懸念にぱちりと目を瞬かせる。

そうか。妊娠したら、もうこの部屋に来ることもなくなるんだ。

彼とは二度と顔を合わせないかもしれない。この下の部屋でずっとひとりきり。出産が終わるまで……いや、もしかしたら、出産したあともずっと。

誰かがそばにいてくれた方が――たとえその誰かが愛の欠片もない男だったとしても――心強いのではないか。

「パパになってくれるってことですか?」

「どうあがいてもパパだろ、俺の子なんだから。だが、イクメンとか期待されても困るぞ。公園なんて連れてかないからな」

「そこは期待してないから大丈夫です」

彼が赤ちゃんを抱っこして公園なんて想像もつかないし、考えただけで異様すぎる。

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