不良ヤンキーくんは、私だけにずるい
神崎くんを独り占め
ピピピピピピ

目覚まし時計の音で目が覚めて寝ぼけた体をゆっくりと起こしてベッドから降りた。

「眠....」

私はいつも通り準備をしたが、昨日の神崎くんの事が頭から離れず眠りにつけたのは朝になろうとしている4時だった。

玲くん....ね。

私は鏡の前に立って少しだけスカートの丈を短くして、髪の毛はハーフアップにしてみた。

こんな姿で学校に行くのは初めてだった。

靴を履いて玄関を出ると少し濁った雲だった。

傘、多分カバンの中に入ってる。

何を思ったのか私はカバンの中を確認せず登校した。

濁った雲はどんどん空が光って当たり前に土砂降りになった。
私は走って屋根のがついてる場所に走った。

傘、傘....

カバンの中がゴゾゴゾ音を立てた。

.....ない!?

せっかく整えた髪の毛は濡れたし制服もびしょびしょ。

朝からついてないなぁ。

私は通学カバンを傘がわりにして走った。

「びしょびしょじゃん」

後ろから神崎くんの声がした。

「神崎くん、今日も学校行くんだ」

「ん〜まぁ、お前いるし」

そう言いながら私の肩を引っ張って傘の中に入れた。

''お前もいるし''ってどういうこと?

しかもこれって相合傘ってやつ?

「濡れてんなぁ」

「家、帰るか?」

神崎くんは少し心配そうに言ってくれた。

「ううん、学校で制服貸してもらうよ」

神崎くんは、羽織っていたブレザーを私にかけてくれた。

神崎くんのブレザーは私よりも大きくて暖かい。

「いいよ!寒いでしょ」

神崎くんは私に初めて顔を赤くした。

急に何?

「いやお前、透けてんぞ」

「は?」

私は自分の体に視線を向けた。

見事に綺麗に透けているのが見える。

私は咄嗟に両手で隠した。

「だから、これ着とけ、他のやつに見られんぞ」

その言い方は見られたくない言い方のようにも聞こえた。

神崎くん、あなたは何者なんですか......

校門に着くと傘を刺して挨拶運動をしていた。

雨の日まで挨拶運動か.....

ほんっと熱血教師ってすごい。

「神崎!今日も学校きてくれたのか!」

先生は私の方に視線を向けた。

「なにお前ら、相合傘して付き合ってんの?初々しいしいなぁ」

「まぁな」

まぁなって私たち付き合ってもないし、もちろん告白もされてないし、してもない。

神崎くんの手が私の肩をグイッと寄せた。

「濡れんぞ」

私は今日も朝から胸が高鳴った。

今日1日、心臓持ちそうにないや......

私はその後保健室で貸してもらった制服に着替えて教室に戻る。

髪の毛はびしょ濡れだけど

スカートを少しだけ折って短くした。

「梨々香、スカート短!」

佳奈は朝から元気だなぁ。

「もしかして、神崎くんに見せるためでしょ?」

「違う違う!」

いやそうだけど、絶対にそうだよなんて言わない。

私は自分を落ち着かせるためにトイレに向かった。

確かに可愛いって言ってもらいたくてスカート短くしたけど....やりすぎたかなぁ。

その時、誰かにグイッと腕を引っ張られた。

「お前、スカート短ぇって」

「か、神崎くん!?」

神崎くんの手が私の腰に回る。

こんなの少女漫画の世界でしか見た事がない。

「だから玲だって」

神崎くんは低い声だった。

「お前、俺といる時顔赤いけど」

神崎くんの手が私の頬に優しく触れた。

「俺の事好きなんか?」

なにこれ昨日の続き?夢?

ここで好きって言っていいのだろうが、
でも恥ずかしくて上手く言葉がでない。

「それじゃーさ」

「俺と付き合ってみるか?」

これは告白されたでいいのか....

付き合ってみる?って神崎くんはどう思ってるんだろう。

「神崎くんはーー」

「玲って呼べ」

だから難易度高すぎだって、しかもこの状態で....

「れ、玲くんはどう思ってるんですか」

「.....は?」

「いや、かんざ....玲くんはどう思ってるのかなって」

「アホか」

深いため息をついて神崎くんのおでこが私の肩に引っ付く。

「んな顔で見つめられて」

「好きじゃねーわけねぇだろ」

神崎くんの耳が赤くなっていた。

ドストレートタイプだと思っていたけど神崎くんも恥ずかしい時あるんだ。

私たちは、次の日もその次の日も一緒に帰った。

もちろん親友の佳奈には付き合う事は伝えたし、教室に入った瞬間からの私の表情でばれていたらしい。

私は気づけば神崎くんじゃなくて玲くんって呼べるようになっていた。

「梨々香、明日デート行こうぜ」

玲くんって呼べるようになったものの
デートは初めてだった。

「え!?」

「行きたくねーの?他の奴呼ぼうかな」

玲くんは私と付き合うとどんどん意地悪になっていった。

「ダメです」

玲くんの裾を引っ張った。

「じゃあ駅前のモール10時に集合な」

最近玲くんが分からない

私を嫉妬させたいのか、無意識なのか他の女の子とたくさん話してる。

しかも楽しそうする表情が辛いんだよなぁ....

絶対明日可愛くして行って見返してやる!

家に帰宅すると早速鏡の前で1人でファッションショーをした。

だか....全然可愛い服がないし....

やっぱワンピースとかがいいのかな。

私は佳奈に電話を掛けて相談した。

「梨々香待ってて、すぐいく」

電話がプツッとキレてしばらく待っていた。

''ピンポーン''

私は玄関を開けると両手に大量の荷物を持った佳奈がいた。

「気合い入れるよ!」

佳奈が袋から出したのは白いワンピースだった。

「これ着てみてよ、梨々香絶対似合うから」

私はすぐに着替えて佳奈にみせた。

私服でスカートなんて着た事がないから少し違和感だったけど

「おかしくない....?」

「めっちゃ可愛いよ、梨々香!」

佳奈は満面の笑みで私を見つめた。

「梨々香、今日私泊まるね」

「え!?いいの!?」

「うん、明日はめっちゃ可愛くしてやるから、私に任せな!」

佳奈はドヤ顔だった。

私より気合い入ってる佳奈が可愛かった。

私たちはその夜、布団の中で恋バナを続けた。

「明日、キスぐらいしておいでよ」

想像しただけでも恥ずかしいのに絶対私からは無理。

「私に任せて、明日は早く起きないとだからもう寝るよ」

私は佳奈が寝た後も心が落ち着かなかった。

緊張するなぁ.....初めてのデート.....
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