神の愛
「「人の子」言ってんのに「狂い仔」って言っとるし。あと、気になるんは「鬼の子」な」

 義兄さんの言葉を流しながら、考える。

 恵の親は「鬼の子、人の子」を常日頃、歌っていた。だから、それが彼にとっては子守唄になっていた。

 だからこそ、今、こんなに穏やかに寝ているのかもしれない。

 だとしたら、この歌は彼にとって馴染み深い歌で、身近なところにあった歌だ。そして、歌詞は古く、難解な内容をしている。だとすれば、古くから残っている歌で、それが歌われ継がれているほどに田舎。

 沼東の奥にある集落。俺の地元、夕月(ゆうづき)集落。

 あそこならば、残っている可能性は高い。

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