神の愛
「「人の子」が「鬼の子」に喰われた言うのは「人の子」が「鬼の子」に殺されたんか、「人の子」が「鬼の子」への捧げ物にされたんか、言葉のままの意味なんか。どれが正解なんかで意味なんか、まるっと変わるで」
「・・・・・・そう、だな」

 義兄さんは一升瓶とお猪口を縁側に置くと、グッスリ眠っている恵の頬を優しく撫でる。義兄さんの顔を見れば、その顔は優しくて、喧嘩っ早いいつもの顔ではなかった。

「こん子がこれ持っとるっちゅうことは、何かこの歌詞がこの子に関係しとるんやろ」

 恵が、人の子であろうと、鬼の子であろうと俺は別にどちらでも構わない。俺は託された。

 であるならば、俺はこの子を親に返すそのときまで、守らなくてはいけない。恵が人の子であろうと、鬼の子であろうと。

 ──―まず、神に「嫌いだ」と言われた奴が「鬼の子」を見捨てることができるわけがないだろ。

「お前がしっかり、守ってやりぃな、恵介」
「はいはい、分かってるわ、義兄さん」
 親父みたいな顔で笑う義兄さんの言葉に苦笑いを浮かべてしまった。
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