ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編/不定期更新中】
◇
先月、所属しているスポーツ観戦サークルで、新入生を迎えてから二度目の飲み会があった。
近くに座った人たちと、改めての自己紹介も兼ねて、好きなスポーツについて一言、となったとき――。
「三年の真希です! 野球が大大大好きで、高校時代は甲子園常連校のマネージャーをやっていました。生まれ変わったら男の子になって、自分でマウンドに立ちたいです!」
笑顔を心がけながら、明るい声で話す。
「ちなみに好きな球種は、カーブです!」
すると、隣の子の肩がピクッと揺れたので、視線を向けた。
彼は、少しハッとしたような顔をした。
「……あ、すみません。渋いな、と思って」
そう言ったのが、彼――瀬川祥太郎くんだった。
聞いてみると、幼い頃からピッチャーをやっていて、中学で肩を壊してしまうまで続けていたらしい。
今では、少年野球のコーチのアルバイトをしているというではないか。
そして、お父さんが監督をやっているという境遇が私と同じで、なにか運命的なものすら感じてしまった。
私の暑苦しい野球談義にも嫌な顔ひとつせず穏やかに頷き、時々クスッとする返しまでしてくれた。
その空気に一気に惹かれ、あの日以降、彼を見つけては隣を占領したくなるようになったのだ。
先月、所属しているスポーツ観戦サークルで、新入生を迎えてから二度目の飲み会があった。
近くに座った人たちと、改めての自己紹介も兼ねて、好きなスポーツについて一言、となったとき――。
「三年の真希です! 野球が大大大好きで、高校時代は甲子園常連校のマネージャーをやっていました。生まれ変わったら男の子になって、自分でマウンドに立ちたいです!」
笑顔を心がけながら、明るい声で話す。
「ちなみに好きな球種は、カーブです!」
すると、隣の子の肩がピクッと揺れたので、視線を向けた。
彼は、少しハッとしたような顔をした。
「……あ、すみません。渋いな、と思って」
そう言ったのが、彼――瀬川祥太郎くんだった。
聞いてみると、幼い頃からピッチャーをやっていて、中学で肩を壊してしまうまで続けていたらしい。
今では、少年野球のコーチのアルバイトをしているというではないか。
そして、お父さんが監督をやっているという境遇が私と同じで、なにか運命的なものすら感じてしまった。
私の暑苦しい野球談義にも嫌な顔ひとつせず穏やかに頷き、時々クスッとする返しまでしてくれた。
その空気に一気に惹かれ、あの日以降、彼を見つけては隣を占領したくなるようになったのだ。