ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編/不定期更新中】
 ◇

 最終日の夜、打ち上げが行われた。

 祥くんと同じチームでバスケもできたし、この宴会でもたくさん話せて、楽しい合宿だった。
 距離が近づいたかと言われると、相変わらず「うーん」という感じだけれど。

 会場の広間はまだガヤガヤと騒がしかったけれど、疲れと眠気で部屋に戻る人もチラホラ出始めた頃。

「えー。見て、あの子たち。可愛い〜」

 同期の子が指差す先を見て、息を呑んだ。

 壁際に寄りかかって眠る一年生たち。
 その中で、美絵ちゃんの頭を自分の肩に乗せ、静かに目を閉じている――祥くんの姿があった。

(……ええーっ! 私のボディタッチは絶対避けるのに……!)

 思わずむくれてしまう。

(やっぱり、同期のほうが心を許せるってことなのかな……)

 そんなふうに思って、無理やり納得しようとしたけれど。

 秋風が吹き始める頃、二人は付き合い始めた。

 正直、それなりにショックだった。

 けれど、美絵ちゃんの隣にいる祥くんが、あまりにも幸せそうだったものだから。
 なんだか素直に「おめでとう」と思えてしまって、案外スッパリと諦めがつきそうだ。
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