ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編/不定期更新中】
 頭を膝に預けたまま「うーん、うーん」と身体を捻って唸る私を見て、祥ちゃんが小さく肩を揺らし笑っていた。

「どうしたの?」

「あ、ごめん。悩んでる顔、可愛くて」

「もう。こっちは真剣なのにっ」

 唇を尖らせながら寝返りを打ち、その腰に腕を回して、祥ちゃんの香りに顔を埋めた。

「行き詰まってきちゃった……!」

「じゃあ、今日はもう休んだら? 寝て起きたら、案外いいアイディアが降ってくるかもよ」

「でも、会議で決まりかけてたところをストップさせちゃったから、早くいい案を出さなきゃって思ってて……」

 悶々と悩んでいると、祥ちゃんは「うんうん」と言いながら膝枕を終了する。
 そして毛布を私の身体にぐるっと巻きつけると、その上からギュッと抱きしめた。

「はい、強制お布団」

「……あったかーい」

 ぽかぽかとした温もりに包まれる。
 その優しさに心が解きほぐされながら、軽くキスを交わした。


 その瞬間――私の中でパズルのピースがカチリとハマる。


「『強制お布団』……いいかも!」

 急に声を上げた私を、祥ちゃんが「え?」と不思議そうに見る。

「いつもは控えめに、そっと寄り添って癒やしてくれるこの子が、頑張りすぎて疲れている子を見かねて、強引にお布団で休ませてあげるの! これならギャップになるし、キャラクター性も崩れない!」

「なるほど。めっちゃいいじゃん」

「祥ちゃん、天才っ!」

 歓喜のあまり、くるまれた毛布から腕を出して、思い切り抱きついた。

「お役に立てたなら、何よりです」

 祥ちゃんは目尻を下げて微笑むと、頭をポンポンと撫でてくれた。
 そのまま、そっと身を寄せ合いながら、幸せな眠りについたのだった。
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