私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】
嘘つきなお母様にはもう会いたくないけど、この子は嘘なんてつかないからいいんだもん。


そう言い聞かせてぎゅっと力を込める。


中央にある四角い箱が気になって傍に寄る。


ここなら誰か来ても入口からはすぐには見つからないよね。


箱の裏に隠れようと顔を覗き込んだ瞬間、赤い何かが揺れるのが視界に入る。


「え、誰お前」


お、お前・・・?


そこには真っ赤な髪色をした男の子がいた。


暗い場所なのに、その色だけがやけに目に刺さる。


大人じゃない人と話すの、初めてだ・・・。なんか失礼な言葉遣いする子だけど。


「君こそ誰?ここ、君の家?」


「はぁー?こんな汚い場所が家な訳ねーだろ」


その返事は少しだけ怖いのに、なぜか逃げようとは思わなかった。


「ならわたしもここ使っていい?」


「好きにすれば?・・・ってなんで入ってくんだよ」


「だってここが一番あったかそうなんだもん」


二人分の体温が近づいて、箱の中が少しだけ狭くなる。でも、不思議と嫌じゃなかった。


箱だと思っていたけど、裏側は凹んでて二人入っても問題なく隠れられそう。


そもそも好きにすればって言ったじゃん。


「つーかなんでお前そんなボロボロなわけ?」


「家出・・・したから?」


「家出!?お前人形みたいな見た目してやってることかっこいいな!」


人形?それに、家出ってかっこいいの・・・?
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