私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】
敵対する人間。


金を返さない者。


組に不必要だとされた者。


歳を重ねるたびに、そういった人間の処分を任される事が増えていった。


所詮は赤の他人。


馬鹿だなぁ。


もっと上手く立ち回ればいいのに。


慈悲深い言葉なんぞ一つも思い浮かばない感情とは裏腹に、身体は匂いや感触を受け付けなかった。


最初の方こそ見慣れない光景に嘔吐したりもしたが、回数が片手では数えられないほどになれば表情一つ変えることもなく仕事をこなせるようになった。


(そんな事よりも蓮の為に知識や護身術を身につけないと)


淡々と処理する私を見て監視役の大人達は青ざめていた気もする。


それでも組長達は褒めてくれるから。


必要とし、求めてくれるから。


そして、


蓮が私に割く時間が増えるから。


それが何よりも大事だった。


『一ヶ月前に処分した人間、あれはどこの組だったか・・・』


『その月でしたら久我組の人間が5人と、佐伯組の者が8人でしたよね。特徴を教えてくだされば分かるかと』


『おや、全て記憶してるのか?』


『?はい、もちろん』


組長との会話で新たに分かった私の体質。


この便利な体質は使い勝手がよく、処分を担当する下っ端ではなく蓮の従者として生活するようになった頃。


蓮はまた、"拾いモノ"をした。
< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop