私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】
ぎゃあぎゃあと喧しいこいつらを他所にじっと少年の顔を眺めていればある違和感に気付く。


『お前、その目どうしたんだよ』


伸びた前髪で分かりづらいが隠された片目は閉じられていた。それだけなら何も問題は無いが、


『・・・売った』


『いくらでー?』


『・・・5000円』


組の管轄内でこんな事されたとなると組長に報告しないといけないんだよなぁ・・・。


ほんと、面倒事に首突っ込む癖やめてくんないかな。


『5000円だァ?提示する方もイカれてるがそれで売る方も馬鹿でい』


『知識が無い奴は騙された事にも気づかないで搾取され続けるんだよ。いいからもう行くぞ』


かくいう私も蓮に拾われてなきゃこいつと同じ立場の人間だったろうさ。


『お前さ、来る?』


『蓮お前、何言ってんだ』


『これもなんかの縁、つー事で。それに、親父んとこ連れてって売人の情報話して貰わなきゃじゃん?』


『それもそうだが・・・』


こうなった蓮は折れる事を知らない。


ただ黙って、少年へ伸ばされた腕とその先にいる少年を睨み付ける。


『着いて行けば食べ物には困らないのかよ。こいつが言う、サクシュされる人間を辞められるのかよ』


『それはお前次第だろうけど、使えるものは使えばいいんじゃねーェの?』
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