似た者同士の契約婚 ~結婚しないと宣言した日に出会った相手は、不眠の心臓外科医でした~
ドキドキが収まる気配の無い心臓を押さえ業務をこなしていると、後ろから「美空さん」と声をかけられた。
もう梨子と交代する時間なっていたようだ。
「見てましたよー。さっきのイケメン、知り合いですか? めっちゃスカッとしました!」
「あぁ、えっと……夫なの」
梨子だけに聞こえるように声を潜めて伝えると、梨子は目を丸くした。
「えぇっ、素敵! お似合いです!」
「あ、ありがとう」
「この時間に来たってことは、一緒に帰る感じですよね! 任せてください、引き継ぎはサクッと終わらせますから!」
梨子は宣言通り引き継ぎを素早く終わらせ、美空はシフトの終わり時間ぴったりにタイムカードを切ることが出来た。
優斗に『終わりました』と連絡すると、すぐに既読がつく。
『すぐ行く。ジムの外で少し待っていて』
言われた通りに外で待っていると、ほどなく優斗がやって来た。
「お待たせ。行こうか」
彼が手配してくれた車に乗り込み家へと向かう。
その間、二人はの間には沈黙が流れていた。けれど気まずい雰囲気はない。
(いつもの優斗さんだ。……久しぶりだな)
時折目線が合うと、互いに微笑み合う。
それだけで美空の乾いた心は満ち足りていた。
家に到着すると、美空は座るように促された。
「お疲れ」
「優斗さんもお疲れさまです。今日当直明けだったって言ってましたよね? お疲れなのに運動して大丈夫でしたか?」
美空が尋ねると、優斗は一瞬ポカンとした顔した。
そして持ってきたお茶を美空の前に置き、くすりと微笑んだ。
「美空は相変わらずだな。うん、全然大丈夫。昨晩は急患が少なかったから、結構仮眠とれたんだ」
「それなら良いですけど、無理しないでくださいね」
「ありがとう。でもそれは美空もだよ」
「えっ?」
美空がどういうことかと首を傾げていると、優斗の手が伸びてきた。その手が美空の頬に触れる。
「最近寝てないだろ。少し前の俺みたいな顔してる」
彼の親指が美空の目蓋の下を優しく撫でる。
「あ……こ、これは職場で上手くいかないからで。今日みたいに怒られることがあって、少し悩んでいたんです」
嘘は言っていない。それでも後ろめたさから目を逸らしてしまう。
優斗の手が触れている部分が火傷しそうなほど熱かった。
「確かに、今日のは大変そうだった。でも、本当にそれだけ?」
「あの」
「俺のこと避けてたのに?」
「違っ……!」
美空が顔をあげると、こちらをじっと見つめる優斗と視線が絡まる。
もう目が離せなかった。
もう梨子と交代する時間なっていたようだ。
「見てましたよー。さっきのイケメン、知り合いですか? めっちゃスカッとしました!」
「あぁ、えっと……夫なの」
梨子だけに聞こえるように声を潜めて伝えると、梨子は目を丸くした。
「えぇっ、素敵! お似合いです!」
「あ、ありがとう」
「この時間に来たってことは、一緒に帰る感じですよね! 任せてください、引き継ぎはサクッと終わらせますから!」
梨子は宣言通り引き継ぎを素早く終わらせ、美空はシフトの終わり時間ぴったりにタイムカードを切ることが出来た。
優斗に『終わりました』と連絡すると、すぐに既読がつく。
『すぐ行く。ジムの外で少し待っていて』
言われた通りに外で待っていると、ほどなく優斗がやって来た。
「お待たせ。行こうか」
彼が手配してくれた車に乗り込み家へと向かう。
その間、二人はの間には沈黙が流れていた。けれど気まずい雰囲気はない。
(いつもの優斗さんだ。……久しぶりだな)
時折目線が合うと、互いに微笑み合う。
それだけで美空の乾いた心は満ち足りていた。
家に到着すると、美空は座るように促された。
「お疲れ」
「優斗さんもお疲れさまです。今日当直明けだったって言ってましたよね? お疲れなのに運動して大丈夫でしたか?」
美空が尋ねると、優斗は一瞬ポカンとした顔した。
そして持ってきたお茶を美空の前に置き、くすりと微笑んだ。
「美空は相変わらずだな。うん、全然大丈夫。昨晩は急患が少なかったから、結構仮眠とれたんだ」
「それなら良いですけど、無理しないでくださいね」
「ありがとう。でもそれは美空もだよ」
「えっ?」
美空がどういうことかと首を傾げていると、優斗の手が伸びてきた。その手が美空の頬に触れる。
「最近寝てないだろ。少し前の俺みたいな顔してる」
彼の親指が美空の目蓋の下を優しく撫でる。
「あ……こ、これは職場で上手くいかないからで。今日みたいに怒られることがあって、少し悩んでいたんです」
嘘は言っていない。それでも後ろめたさから目を逸らしてしまう。
優斗の手が触れている部分が火傷しそうなほど熱かった。
「確かに、今日のは大変そうだった。でも、本当にそれだけ?」
「あの」
「俺のこと避けてたのに?」
「違っ……!」
美空が顔をあげると、こちらをじっと見つめる優斗と視線が絡まる。
もう目が離せなかった。