御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「そ、そうだ……私、雅人さんに力いっぱい抱きついちゃって……」
思い出しただけでも顔から火が出そうだ。いくら怖くてたまらなかったとはいえ、泣きながら何度も雅人の胸に顔をうずめたのだ。そしてそれに応えるように、雅人も小夜莉を力いっぱい抱きしめてくれた。
その場面を思い出した小夜莉は、再び頬を熱くさせる。男性恐怖症になってからも、むしろその以前だって、男性に抱きしめられた経験なんてしたことがない。
(それもあんなに、力強く抱きしめられたことなんて……)
小夜莉の胸がじりじりと熱くなる。
(でも……)
ふと今度は小夜莉の心をチクリと刺すような痛みが走った。今回の騒動で、雅人が言っていた裏切り者は炙り出された。つまり雅人の目的はこれで達成されたのだ。
(そうしたら、この結婚も終わりなの?)
小夜莉の胸が途端に苦しくなってくる。
初めはそれでいいと思っていたはずだ。雅人のため目的が達成されるように協力し、そのあとは潔く自分は身を引くのだと。元々は住む世界の違うひとだ。雅人が次の道に進んでいくのを見送れればいいのだと思っていた。
それなのに、今の小夜莉の心は嫌だと叫んでいる。
その時、コンコンと扉をノックする音が響き、スッとスライド式のドアが開いた。
「小夜莉、起きあがって大丈夫なのか⁉」
中に入ってきたのは雅人だ。いつもと変わらない雅人の姿に、怪我はしていないのだと少しほっとする。小夜莉は慌てて手に持っていたジャケットを椅子にそっと掛けた。
思い出しただけでも顔から火が出そうだ。いくら怖くてたまらなかったとはいえ、泣きながら何度も雅人の胸に顔をうずめたのだ。そしてそれに応えるように、雅人も小夜莉を力いっぱい抱きしめてくれた。
その場面を思い出した小夜莉は、再び頬を熱くさせる。男性恐怖症になってからも、むしろその以前だって、男性に抱きしめられた経験なんてしたことがない。
(それもあんなに、力強く抱きしめられたことなんて……)
小夜莉の胸がじりじりと熱くなる。
(でも……)
ふと今度は小夜莉の心をチクリと刺すような痛みが走った。今回の騒動で、雅人が言っていた裏切り者は炙り出された。つまり雅人の目的はこれで達成されたのだ。
(そうしたら、この結婚も終わりなの?)
小夜莉の胸が途端に苦しくなってくる。
初めはそれでいいと思っていたはずだ。雅人のため目的が達成されるように協力し、そのあとは潔く自分は身を引くのだと。元々は住む世界の違うひとだ。雅人が次の道に進んでいくのを見送れればいいのだと思っていた。
それなのに、今の小夜莉の心は嫌だと叫んでいる。
その時、コンコンと扉をノックする音が響き、スッとスライド式のドアが開いた。
「小夜莉、起きあがって大丈夫なのか⁉」
中に入ってきたのは雅人だ。いつもと変わらない雅人の姿に、怪我はしていないのだと少しほっとする。小夜莉は慌てて手に持っていたジャケットを椅子にそっと掛けた。