御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「それもあるんですけど、私あの頃から雅人さんだけは大丈夫だったのかも知れません」
「どういうことだ?」
「男性が怖くなって以降、誰とも会話ができなかった私が、初めて会話できたのが雅人さんだったんです。それからは少しずつ他のひととも会話できるようになっていきました。だから雅人さんには感謝しているんです」
恥ずかしそうに頭を下げる小夜莉に、雅人は嬉しそうに小夜莉を抱き寄せる。しばらくトクトクとゆったり響く雅人の鼓動を聞いていた小夜莉は、再び「あれ?」と顔を上げた。
「私、報告書には名前を載せていたと思うんですけど?」
すると雅人が急に厳しい顔を見せる。
「報告書には君の名前は載っていなかったんだ」
「載っていない?」
「あぁ。あの頃から、菅井所長は部下の報告書をすべて自分の名前に書きかえて提出していたようだ」
「そんな! 所長はあの報告書をすごく評価してくれて、すぐ上に提出すると喜んでらっしゃったのに……」
そう言いながら小夜莉ははっと思い出す。昨日、所長が言っていた『手柄を譲ってくれた』とはこのことだったのだろう。小夜莉は悔しさで拳をきゅっと握りしめた。
「それがあいつのやり方だ。むしろあの住民トラブル自体も、うちの評判を落とすために、裏でNKRが手を引いていたという噂もある。今回の騒動もすべてつながっていたのかも知れないな」
雅人の話に小夜莉は言葉を失う。自分たちの利益のため、ここまで汚い手を使っていたとは思わなかった。
「どういうことだ?」
「男性が怖くなって以降、誰とも会話ができなかった私が、初めて会話できたのが雅人さんだったんです。それからは少しずつ他のひととも会話できるようになっていきました。だから雅人さんには感謝しているんです」
恥ずかしそうに頭を下げる小夜莉に、雅人は嬉しそうに小夜莉を抱き寄せる。しばらくトクトクとゆったり響く雅人の鼓動を聞いていた小夜莉は、再び「あれ?」と顔を上げた。
「私、報告書には名前を載せていたと思うんですけど?」
すると雅人が急に厳しい顔を見せる。
「報告書には君の名前は載っていなかったんだ」
「載っていない?」
「あぁ。あの頃から、菅井所長は部下の報告書をすべて自分の名前に書きかえて提出していたようだ」
「そんな! 所長はあの報告書をすごく評価してくれて、すぐ上に提出すると喜んでらっしゃったのに……」
そう言いながら小夜莉ははっと思い出す。昨日、所長が言っていた『手柄を譲ってくれた』とはこのことだったのだろう。小夜莉は悔しさで拳をきゅっと握りしめた。
「それがあいつのやり方だ。むしろあの住民トラブル自体も、うちの評判を落とすために、裏でNKRが手を引いていたという噂もある。今回の騒動もすべてつながっていたのかも知れないな」
雅人の話に小夜莉は言葉を失う。自分たちの利益のため、ここまで汚い手を使っていたとは思わなかった。