御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
雅人はとても優秀だし判断力も決断力もある。そして自分が御子柴を背負う人間だという自覚と責任を誰よりも感じているひとだ。だからこそ、幼いころから自分を律して生きてきたのかも知れない。
「でもね、君との調査を終えて帰ってきた時、明らかに雅人の目の色が変わっていたんだよ。生き生きと未来を見据える、経営者の目になっていた」
小夜莉は五年前のことを思い出す。小夜莉はただ住民を安心させたい一心で調査をしていた。でも雅人はその先、御子柴の未来を考えて小夜莉の調査を手伝っていたのだろう。
(やっぱり雅人さんは凄いひとなんだ)
小夜莉がそう思った時、父親が「そう言えば」と顔を向ける。
「君は言っていたそうだね。自分の仕事の先にひとびとの暮らしがある、そのために研究をするのだと」
「え? どうしてそれを……」
「御子柴化学の社長になりたいと雅人が私に申し出た時に言っていたんだ。そういう志の高い研究者を育てるのが自分の目標だと」
「雅人さんが」
「あぁ、私はすぐにピンときたよ。君のことだってね。でも私も改めて大切なことに気づかされた。ありがとう」
優しくほほ笑む父親に、小夜莉の瞳に涙が溢れてくる。
「これからも雅人のことを頼むよ。君たちふたりなら、安心して御子柴の将来を任せられる」
そう秋空に向かってつぶやく父親の声は、いつまでも小夜莉の心に響き続けた。
「でもね、君との調査を終えて帰ってきた時、明らかに雅人の目の色が変わっていたんだよ。生き生きと未来を見据える、経営者の目になっていた」
小夜莉は五年前のことを思い出す。小夜莉はただ住民を安心させたい一心で調査をしていた。でも雅人はその先、御子柴の未来を考えて小夜莉の調査を手伝っていたのだろう。
(やっぱり雅人さんは凄いひとなんだ)
小夜莉がそう思った時、父親が「そう言えば」と顔を向ける。
「君は言っていたそうだね。自分の仕事の先にひとびとの暮らしがある、そのために研究をするのだと」
「え? どうしてそれを……」
「御子柴化学の社長になりたいと雅人が私に申し出た時に言っていたんだ。そういう志の高い研究者を育てるのが自分の目標だと」
「雅人さんが」
「あぁ、私はすぐにピンときたよ。君のことだってね。でも私も改めて大切なことに気づかされた。ありがとう」
優しくほほ笑む父親に、小夜莉の瞳に涙が溢れてくる。
「これからも雅人のことを頼むよ。君たちふたりなら、安心して御子柴の将来を任せられる」
そう秋空に向かってつぶやく父親の声は、いつまでも小夜莉の心に響き続けた。