御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「お、お母さん……」
小夜莉は動揺した心を隠すように無理やり笑顔をつくると、そっと母の顔を窺った。
母は小夜莉の顔を覗き込むと、再び屈託のない笑顔を見せる。
この様子からすると、母は先ほどの騒動を見ていないのだろうと、少しだけほっとした。
「小夜莉、今日はお招きありがとう。ねぇもしかして、そちらが?」
母はチラッと小夜莉の側に立つ雅人を見る。
「あ、お母さん、違うの。このひとは――」
小夜莉が慌てて訂正する前に、母は雅人の正面に出ると深々と頭を下げた。
「はじめまして、小夜莉の母です。いつも小夜莉が大変お世話になっております」
母の丁寧な挨拶に、雅人は一瞬戸惑うように視線を動かしたが、すぐに同じように頭を下げる。
「はじめまして。御子柴雅人です」
雅人のそれは、自社の社員の家族に挨拶する、その程度のものだったと思う。
でも雅人の落ち着いた声に、母はパッと表情を明るくすると一気に瞳を輝かせた。
「まぁ雅人さんっておっしゃるのね! ねぇ小夜莉、本当に素敵な方じゃない」
母はまるで一瞬で恋に落ちた乙女のように、胸の前で両手を合わせる。
「お母さん、だから違うの……このひとは私の会社の社長で……」
「えぇ⁉ 社長さん⁉ あらまぁ、どうしましょう。お母さんこんな格好で……。でもいいわよね。家族になるんだもの。さぁあさぁ、早く二人の馴れ初めを聞かせて!」
一気にヒートアップした母は、まくし立てるようにそう言い残すと、さっさとエレベーターに向かって歩き出す。
小夜莉は動揺した心を隠すように無理やり笑顔をつくると、そっと母の顔を窺った。
母は小夜莉の顔を覗き込むと、再び屈託のない笑顔を見せる。
この様子からすると、母は先ほどの騒動を見ていないのだろうと、少しだけほっとした。
「小夜莉、今日はお招きありがとう。ねぇもしかして、そちらが?」
母はチラッと小夜莉の側に立つ雅人を見る。
「あ、お母さん、違うの。このひとは――」
小夜莉が慌てて訂正する前に、母は雅人の正面に出ると深々と頭を下げた。
「はじめまして、小夜莉の母です。いつも小夜莉が大変お世話になっております」
母の丁寧な挨拶に、雅人は一瞬戸惑うように視線を動かしたが、すぐに同じように頭を下げる。
「はじめまして。御子柴雅人です」
雅人のそれは、自社の社員の家族に挨拶する、その程度のものだったと思う。
でも雅人の落ち着いた声に、母はパッと表情を明るくすると一気に瞳を輝かせた。
「まぁ雅人さんっておっしゃるのね! ねぇ小夜莉、本当に素敵な方じゃない」
母はまるで一瞬で恋に落ちた乙女のように、胸の前で両手を合わせる。
「お母さん、だから違うの……このひとは私の会社の社長で……」
「えぇ⁉ 社長さん⁉ あらまぁ、どうしましょう。お母さんこんな格好で……。でもいいわよね。家族になるんだもの。さぁあさぁ、早く二人の馴れ初めを聞かせて!」
一気にヒートアップした母は、まくし立てるようにそう言い残すと、さっさとエレベーターに向かって歩き出す。