御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「小夜莉さんの、ひたむきに仕事に向き合う姿に惹かれたのがきっかけです」
雅人は何を考えているのだろうか。小夜莉と雅人は今日初めて出会ったばかりだ。
そんなこと、あるはずがない。
「まぁ♡」
すると戸惑う小夜莉をよそに、母が黄色い悲鳴のような声を上げる。
母は両手を胸の前で組むと「それでそれで」と身を乗り出した。
「我々の会社は、化学の研究を通して、人々の暮らしを豊かにすることを一番の目標としてきました。でも研究所にいると、つい周りが見えなくなり、研究で成果を出すこと自体が目的になってしまう」
雅人は一旦口を閉ざすと、静かに小夜莉に目を向ける。
「でも小夜莉さんは違います。この仕事の先に、ひとの暮らしがあることを知っていて、そのために日々研究に取り組んでいる。とても尊敬できる女性です」
雅人の声に小夜莉ははっと息を呑む。
一目惚れだと聞いた時、雅人は口からでまかせを言っているのだと思った。
でも雅人が今話したのは、小夜莉が常日頃から心がけていることだった。
(社長が、どうしてそれを……?)
小夜莉が大きく瞳を揺らし出した時、目の前の母が納得するように大きくうなずく。
「ありがとう。もうそれを聞いただけで、私は十分満足よ。小夜莉、雅人さんを大切にね」
母はそう言うと、再び嬉しそうに目尻の涙を拭ったのだ。
雅人は何を考えているのだろうか。小夜莉と雅人は今日初めて出会ったばかりだ。
そんなこと、あるはずがない。
「まぁ♡」
すると戸惑う小夜莉をよそに、母が黄色い悲鳴のような声を上げる。
母は両手を胸の前で組むと「それでそれで」と身を乗り出した。
「我々の会社は、化学の研究を通して、人々の暮らしを豊かにすることを一番の目標としてきました。でも研究所にいると、つい周りが見えなくなり、研究で成果を出すこと自体が目的になってしまう」
雅人は一旦口を閉ざすと、静かに小夜莉に目を向ける。
「でも小夜莉さんは違います。この仕事の先に、ひとの暮らしがあることを知っていて、そのために日々研究に取り組んでいる。とても尊敬できる女性です」
雅人の声に小夜莉ははっと息を呑む。
一目惚れだと聞いた時、雅人は口からでまかせを言っているのだと思った。
でも雅人が今話したのは、小夜莉が常日頃から心がけていることだった。
(社長が、どうしてそれを……?)
小夜莉が大きく瞳を揺らし出した時、目の前の母が納得するように大きくうなずく。
「ありがとう。もうそれを聞いただけで、私は十分満足よ。小夜莉、雅人さんを大切にね」
母はそう言うと、再び嬉しそうに目尻の涙を拭ったのだ。