御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
大人になった今はだいぶ落ち着き、対面で話したり、コミュニケーションをとることは問題ない。でもやはり直接触れられたり、腕を掴まれることには未だに極度の拒否感が出るのだ。
今日研究室でパニックになってしまったのも、あの時の恐怖が蘇ったからだと思う。
「それ以降、母には散々心配をかけてきました。だから一日でも早く男性恐怖症を克服して、もう大丈夫だよって安心させてあげたかった」
「だから結婚を?」
「えぇ、でもやっぱりまだ無理だったんですよね。恋人もそのこと見抜いてたんだと思います。だから浮気されちゃったんだ……」
小夜莉は俯くと自嘲するように小さく息をつく。
直志のことを本気で好きだったのかと聞かれれば、正直答えることができない。
自分が結婚して幸せになった姿を母に見せたいという、ただその一心だったような気もするのだ。
「社長には本当にご迷惑をおかけしました。でも、あんなに嬉しそうな母の顔を見られたのは社長のおかげです。本当にありがとうございました」
小夜莉はもう一度深々と頭を下げると、何かを考え込むようにしている雅人の顔を見上げる。
「母にはしばらくしたら、雅人さんには振られたって伝えるのでご安心ください。それと、何かお礼ができればいいんですが……」
小夜莉はそこまで言って一旦口を閉ざす。
お礼をすると言っても、相手は御子柴グループの御曹司だ。小夜莉が思いつく様な庶民的なお礼では逆に失礼になってしまうような気もした。
今日研究室でパニックになってしまったのも、あの時の恐怖が蘇ったからだと思う。
「それ以降、母には散々心配をかけてきました。だから一日でも早く男性恐怖症を克服して、もう大丈夫だよって安心させてあげたかった」
「だから結婚を?」
「えぇ、でもやっぱりまだ無理だったんですよね。恋人もそのこと見抜いてたんだと思います。だから浮気されちゃったんだ……」
小夜莉は俯くと自嘲するように小さく息をつく。
直志のことを本気で好きだったのかと聞かれれば、正直答えることができない。
自分が結婚して幸せになった姿を母に見せたいという、ただその一心だったような気もするのだ。
「社長には本当にご迷惑をおかけしました。でも、あんなに嬉しそうな母の顔を見られたのは社長のおかげです。本当にありがとうございました」
小夜莉はもう一度深々と頭を下げると、何かを考え込むようにしている雅人の顔を見上げる。
「母にはしばらくしたら、雅人さんには振られたって伝えるのでご安心ください。それと、何かお礼ができればいいんですが……」
小夜莉はそこまで言って一旦口を閉ざす。
お礼をすると言っても、相手は御子柴グループの御曹司だ。小夜莉が思いつく様な庶民的なお礼では逆に失礼になってしまうような気もした。