御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「君は信頼できる」
「どうして、そう言いきれるんですか?」
「どうしてだろうな? 君がこの話を受けるなら、いずれ教えてあげるよ」
雅人はわざと意地悪くそう言うと、くすりとほほ笑んでいる。小夜莉は逡巡するように瞳を揺らした。でも今一番思い浮かぶのは母の顔だった。
小夜莉は研究着のポケットからスマートフォンを取り出すと、母が作ってくれた貝が二つついたストラップに触れる。
『小夜莉が男性への恐怖心を克服して本当に大切な人ができたら、ふたりでひとつずつこの貝を持つといいわ。きっとふたりの幸せを、この貝が見守ってくれる』
いつか母が言っていた言葉が聞こえてくる。
(社長は自分を恐怖症の克服に使えばいいと言ってくれている。お母さんも安心させてあげられる……)
小夜莉は心を決めると、静かに顔を上げた。
「わかりました。社長との契約結婚に同意します」
小夜莉の凛とした声が響く。
「真面目で誠実な君らしい返答だ」
雅人は一瞬目を丸くした後、そう言って嬉しそうにほほ笑んだ。
「どうして、そう言いきれるんですか?」
「どうしてだろうな? 君がこの話を受けるなら、いずれ教えてあげるよ」
雅人はわざと意地悪くそう言うと、くすりとほほ笑んでいる。小夜莉は逡巡するように瞳を揺らした。でも今一番思い浮かぶのは母の顔だった。
小夜莉は研究着のポケットからスマートフォンを取り出すと、母が作ってくれた貝が二つついたストラップに触れる。
『小夜莉が男性への恐怖心を克服して本当に大切な人ができたら、ふたりでひとつずつこの貝を持つといいわ。きっとふたりの幸せを、この貝が見守ってくれる』
いつか母が言っていた言葉が聞こえてくる。
(社長は自分を恐怖症の克服に使えばいいと言ってくれている。お母さんも安心させてあげられる……)
小夜莉は心を決めると、静かに顔を上げた。
「わかりました。社長との契約結婚に同意します」
小夜莉の凛とした声が響く。
「真面目で誠実な君らしい返答だ」
雅人は一瞬目を丸くした後、そう言って嬉しそうにほほ笑んだ。